駐車場経営


 駐車場を経営するに当たり知っておいた方が良い事を書いています。

これから駐車場経営を行う方だけでなく、既に駐車場経営を行っている方にもご覧になって頂ければと思います。

 

 

1.駐車場の形態


 駐車場には平面(平置き・青空)駐車場、自走式駐車場や機械式駐車場などがあります。

自走式駐車場とは、複数階の建物全体または一部が駐車場になっており、名前の通り自分で走って駐車する駐車場です。自走式駐車場にはいくつかの種類があります。日成ビルド工業株式会社のHPに載っていますので、ご興味がある方はご覧ください。

 

 日成ビルド工業株式会社㏋:http://www.nisseibuild.co.jp/products/parking-s/variety/variety.html

 

 機械式駐車場も名前の通り、機械で動く駐車場ですが、様々な種類の設備があります。公益社団法人立体駐車場工業会のホームページに分かりやすい説明がありますので、ご覧になりたい方は以下URLをクリックしてみてください。機械式駐車場の簡単な歴史や種類ごとの設置台数などのデータもあります。

 

 公益社団法人立体駐車場工業会㏋:http://www.ritchu.or.jp/parking/

 

 

2.駐車場経営の種類


 駐車場経営には以下3つの種類があります。

 ①月極駐車場

 ②時間貸し駐車場(有人時間貸し駐車場・コインパーキング)

 ③月極と時間貸しの併用駐車場

 

 akkipa社など駐車場の一時貸しをネットで予約から決済まで一貫して行う駐車場シェアリングが拡がっています。これも広い意味では上記②の時間貸し駐車場に分類されると思われます。更にakkipa社は定期も開始しており、従来の駐車場事業に近づいてきています。

 

 月極駐車場は契約者を獲得出来れば安定した収入が入るというメリットがあります。一方、時間貸し駐車場は日々の売上には波がありますが、稼働率が高い駐車場では月極月額賃料以上の売上が期待できます。例えば、月極賃料相場が40,000円~50,000円の都内繁華街で、時間貸しでは1車室当りの売上が100,000円以上というところもあります。逆に言えば、月極駐車場は相場が売上の上限というのがデメリットでもあります。

 

 

3.駐車場経営を考える視点


 駐車場経営も一般的な企業経営も実は同じ以下の様な視点で考えます。(企業分析の3Cですね)

これら項目の調査を行った上で、駐車場経営に反映をさせていきます。

 

 ①Company(自分)

  自分が経営する駐車場の強み・弱みを知る事です。

  例えば、駐車場形態(平面駐車場、自走式駐車場、機械式駐車場)です。車を外に止めたくないという様なニーズの場合を除き、

  一般的には機械式駐車場よりも平面駐車場や自走式駐車場の方が使い勝手が良いので、募集が比較的容易です。

  同じ平面駐車場でも車室(駐車区画)の大きさや区割りの仕方で止めやすさが変わりますので、注意が必要です。

  機械式駐車場では、収容可能サイズによって募集の難易度には大きく差がついてきます。

 ②Competitor(競合)

  周辺の競合駐車場を調査し、自社と比較しての強み・弱みを把握して、駐車場経営に活かしていきます。

  調査項目は、駐車場形態・サイズ、賃料、稼働率などです。また外部貸ししていないマンション・オフィスの駐車場があれば

  その調査も行い、自分が経営する駐車場と比較します。

 ③Customer(顧客)

  自分が経営する駐車場周辺がオフィスなのか住宅なのか顧客属性を把握します。上述②で賃料相場を調べるとどのくらいの賃料で

  顧客が借りているのかも分かります。

 

※駐車場事業の商圏について   参考コラム:駐車場事業の商圏

 一般的に駐車場事業の商圏は駐車場を中心に半径200mほどと言われています。競合・顧客調査はこの商圏内で行います。

 半径200mの事業環境が変わると、駐車場経営に大きく影響する場合がありますので、調査後も常に観察する必要があります。

 (競合駐車場の開業・閉鎖、競合駐車場の料金変更、集客施設の開業・廃業、オフィス入居状況、オフィステナント業種の変動など)

 

 

4.駐車場経営におけるマーケティングの4P


 企業経営においてマーケティングの4Pといる理論がありますが、駐車場経営でも同じ視点で考えることができます。マーケティングの4Pとは、以下の視点で分析するマーケティング戦略の立案、実行をするプロセスの1つです。

 

 ① Product(製品)

 ② Price(価格)

 ③ Place(流通)

 ④ Promotion(販売促進)

 

 ちなみに、マーケティング戦略の立案・実行のプロセスは以下の様なステップに分かれますので、4Pはそのプロセスの1つという事です。詳しい事を話し始めると長くなるので、駐車場に関しては、上記3C分析で環境分析をした上で、ターゲットとする顧客層を考えて、そのターゲットに向けた料金(賃料)体系を考えるという事になります。

 

 1.事業の環境分析と市場機会の発見

 2.セグメンテーション(市場細分化)

 3.ターゲティング(市場絞り込み)

 4.ポジショニング

 5.マーケティングミックス(4P)

 6.マーケティング戦略の実行とその評価

 

 時間貸し駐車場においては、例えばオフィス街で通勤・仕事で月に何度か車を使う人がいればそのターゲット層に常連客になって頂ける様な製品(出入り自由の1日料金など)を考え、周辺競合駐車場との比較して受け入れられると思う料金(価格)を設定し、看板、チラシその他効果的と思われる方法(販売促進)を検討し実行するという事になります。ターゲット層に合った製品と価格を作っても、販売促進を考えないと売上にすぐに繋がりませんので、販売促進は大事です。

 なお、常連客をターゲットとする場合と一見客をターゲットにする場合とでは販売促進方法は異なります。一見客の場合は、最近ではインターネット上でのアピールや周辺集客施設との提携などがありますが、圧倒的多数の一見のお客様には看板が重要であると思われます。ただし、単に看板を出すだけではなく、看板の出し方にも考え方がありますが、この点については後述します。

 月極駐車場においては、周辺不動産会社やインターネット上の駐車場検索サイト運営会社などを通して売るという流通も検討する視点になります。

 

 

5.月極駐車場経営


 月極駐車場経営をするには以下の様な事項が必要です。

  ①駐車場の整備(アスファルト敷、ライン引き、輪留め設置など)

  ②経営形態の検討

   経営形態にも色々とあります。

   自営とするか、自営でも全ての業務を自分で行うか、または不動産会社や駐車場運営会社に管理を委託するか。

   更には、駐車場サブリース会社に一括して貸し出すという方法もあります。駐車場サブリース一括見積サービスはこちら

   駐車場サブリース会社に賃貸する場合は後の業務は全て運営会社が行いますが、自営の場合は更に③以降の検討が必要です。

   (管理を委託する場合は管理会社と相談しながら決定)

  ③賃貸条件の決定(月額賃料、保証金、契約手数料など)

  ④契約書の作成  参考コラム:月極駐車場ユーザー契約書の条項

  ⑤契約関連書類の作成(申込書、取扱説明書、使用承諾証明書など)

  ⑥募集活動    参考コラム:月極駐車場ユーザー募集の方法

  ⑦契約者管理(契約締結、取扱説明、入金管理、未入金督促、解約など)

  ⑧駐車場管理(清掃など)

 

 

6.月極駐車場賃料の決定方法


 月極駐車場経営において、最も重要なものの1つは月額賃料をいくらに設定するかです。

具体的には、「3.駐車場経営の視点」で調べた項目を基に考えるのですが、自分の駐車場をどの様な位置づけにするかを考えなければなりません。つまり、多少相場より安い賃料を設定してでも早期のユーザー獲得を優先するのか、それとも相場並みの賃料設定をして、収入の最大化を図るのかという事です。この考え方によって募集方法も異なってきます。 参考コラム:月極駐車場ユーザー募集の方法

 

 

7.時間貸し駐車場経営


 時間貸し駐車場経営をするには以下の様な事項が必要です。

  ①駐車場経営形態の検討

   機械式駐車場の場合は自営で行うか、駐車場サブリース会社に委託、又は賃貸するか。

   駐車場サブリース一括見積サービスはこちら

   平面駐車場の場合は同様に自営(全ての業務を自分で行うか、コインパーキング会社などに業務委託するか)で行うか、

   コインパーキング会社に賃貸するか。コインパーキング一括見積サービスはこちら

   自営の場合は更に②以降の検討・事項が必要です。参考コラム:コインパーキング経営

  ②駐車場の整備(アスファルト敷、ライン引き、輪留め設置など)

  ③駐車場管制機器(発券機、精算機、ゲートなど)の選定・設置

  ④料金体系の検討(時間料金、打止料金)

  ⑤看板デザインの検討・発注

  ⑥月極駐車場を併用するかの検討(併用する場合は、「4.月極駐車場経営」を参照ください)

  ⑦販売促進方法の検討

 

 

8.時間貸し駐車場の料金体系


 時間貸し駐車場の料金体系には以下の様な種類があります。自分が運営する駐車場の特性を考慮したり、周辺の競合となる時間貸し駐車場の料金体系を調べて、自駐車場の営業方針に適した料金体系を考えます。

 

 ①時間料金(一時料金)  

  30分200円など一定時間ごとに加算される料金。

 ②最大料金

  料金が設定されている最大料金に達すると加算が停止し、制限時間内は加算されない料金。

  入庫から12時間など時間の長さが設定される場合や深夜0時までなど時間帯が設定されている場合などがある。

  最大料金が繰り返し適用されない駐車場では、2日目は通常の時間料金が加算されて高額料金を請求される事があるので注意が必要。

 ③短時間最大料金

  3時間料金など比較的短い時間を設定された料金。最大料金の一種。

 ④1日料金(営業時間内出入り自由)

  基本的には最大料金と同じだが、一部の有人機械式時間貸し駐車場の運営会社が差別化の為に設定している。

  営業時間内は何回出入しても追加料金が発生しないので、ビジネスマンが利用する事が多い。

 ⑤宿泊料金

  夜間に設定される最大料金。

 

 

9.時間貸し駐車場経営における看板


 看板の前に一般的な消費者の消費行動の仮説に「AIDMA」の視点というものがあります。これは人が物を買うときには必ずA(気づく)、I(興味を持つ)、D(欲する)、M(記憶する)、A(行動する)という順番で購入するというものです。つまり、気づいていない状態でいきなり興味を持つことはなく、興味を持たないのに物を買うこともないということです。この消費行動を顧客にどうやってとって貰うかを考えなければならず、時間貸し駐車場においてまずはお客様に気づいて貰うことが大事であり、認知力を強化するには看板が大事ということになります。

 駐車場だけでなく飲食店などでも看板は重要な販売促進手段です。看板設置について考える視点に「近視・中視・遠視」があります。それぞれの目的と内容は以下の通りです。

 

 遠視・・・『遠くから見つけることができるか』

       ●業態の告知

       ●一目で分かるお店の売り、他店との差別化の告知

       ●思わず目をとめる色・デザイン

       ●遠くからでも分かる視認性・可読性

       ●障害物などを考慮してできるだけ高い位置に掲出

 中視・・・『お店に興味を持ってもらえるか、注目して貰えるか』

       ●商品・価格のアピール

       ●キャンペーン、フェア、こだわり等のアピール

       ●差別化の図れる魅力的な内容

       ●店頭から離れた場所でも分かる様な大きな表示

       ●チラッと見た時にインパクトを与えることができる内容

       ●お店の売りのアピール

 近視・・・『安心してお店に入って貰えるか』

       ●店内の雰囲気のアピール

       ●商品、価格のアピール(ボリューム、パフォーマンス等)

       ●雑誌掲載記事、キャンペーン等の詳細

       ●その他迷っているお客様の背中を一押しできるお店としてのアピール

       ●店頭盛況感のアピール

 

 駐車場においてもこれに沿って考えますが、看板設置スペースなど制約条件を考慮して遠視と近視などの組合せを考えれば良いと思います。例えば、遠く見ても分かる「駐車場の表示」と少し離れた場所からでも分かる「お得な料金が載った大きめな看板」などです。

コインパーキング最大手のタイムズであれば全国に多くの駐車場があり、黄色い看板がブランディングされているので、遠くから黄色い看板を見ても分かりやすいです。車を運転している人はその看板を目指して進み、近づいたところで減速して料金を確認し、納得すれば駐車すると思われます。(私も街中で遠くから黄色い看板を見ると、タイムズかマツモトキヨシのどちらかと思います)

 時々、小さな看板しかない時間貸し駐車場を見かけますが、車を運転している人が駐車場前に差し掛かった時に気づいても減速できずに通り過ぎてしまう事が多いでしょう。駐車場経営において看板は非常に大事です。